詩集 宇宙語んんん
本の紹介
海風社 2006年10月 発行
かわかみまさと(本名 川上正人 宮高23期)
「んみゃ-ちぃ」と言われてピ〜ンとくる人は「宮古人(みゃ-くぴっとぅ」に違いない。でも、どう発音するの?なんの意味かねえ?疑心暗鬼にかられるのは野暮というもの。言葉・方言は現金なもので、そこで生活している人間にしか通用しない。時と場所が異なると拒絶反応やアレルギ−に似た防御システムが作動する。最新の知識と技術を駆使しても移植医療が思うように定着しないことに似ている。宮古口(みゃ-くふつ)・宮古方言は「ん」で始まる言葉が多い。最後の子音から始まるとはなんたる贅沢、讃えがたい度量の大きさ(んんんとすべてを受けとめることから始まる)。土壇場でさりげなく生き返った感じがしないかい。
「宇宙語んんん」は宮古島に生まれ育った人間にしか書けない貴重な詩語・感受性の記録である。内容は多彩だが、大人にも子供にも感得できるリズムや響きが隠されている。じっくり読むと著者の不思議ワ−ルドをほんの少し垣間見ることができるだろう。
「詩集 宇宙語んんん」は第11回平良好児賞を受賞。
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