Evoked Spinal Cord Potentials―An Illustrated Guide to Physiology, Pharmacology, and Recording Techniques (ハードカバー)

本の紹介
下地恒毅さん

 本著はテキサス大学神経科学主任教授ウィリアム・ウィリス先生と私と共編著でドイツのシュプインガー社から出版した専門書です。本の題は「誘発脊髄電位」で副題は「生理学、薬理学および記録法の図説ガイド」です。
 内容はヒトの脊髄の機能を電気現象として捉え、それを如何に臨床応用するかというものです。脳波や脳の誘発電位は臨床応用されて久しいのですが、脊髄は解剖学的に皮膚から深いところにあり、また周囲に千倍以上も大きいエネルギーで電気的に活動する筋肉や心臓がありますので、それぞれ筋電図や心電図の大きな電気現象として干渉し純粋に脊髄だけの機能を表す電気現象を捉えにくいのです。
 そこで、持続硬膜外ブロックというテクニックとコンピュータによる平均加算法という手法を駆使して誘発脊髄電位を記録する方法を以前に開発しまいしたので、その方法と実際の臨床応用を図説しながら解説しました。
 読者の対象は脊髄の機能を生理学的に或いは薬理学的に研究する基礎研究者や整形外科医、脳神経外科医、神経内科医などです。